産地直送「春ノ巻」
麻創けい子
今回ご覧いただく「春ノ巻」の舞台となる土地を、出演者一同と共に旅したのは、三月半ばのこと。
「今年は雪が少ないで」と、民宿のおかみさんは言っていましたが、それでも山肌は残雪に覆われておりました。
所は旧板取村。「じっさまとやまんばあ」が住んでいた蕪山のふもとです。
一日目に、「空へ」の舞台である美濃市の紙漉きの里で和紙を漉く体験をし、夜にはシリトリ遊び、明くる日は山歩きと雪合戦と、修学旅行のようにおおはしゃぎをしたおかげで、自宅に戻ると熱が出ました。
すると、ボーツとした頭の中で、物語の主人公たちが、「さっさと書け!」と騒ぎ始めたのです。
ここだけの話ですが、実は、時代横町は私が書いているのではありません。彼ら物語の人物たちが私にペンを持たせるのです。
おかげで、この春も新たな物語が生まれました。
どうぞ彼らの言葉に耳を傾けてください。
澄んだ山の空気がお客様ももとに届くかもしれません。